神社と仏閣の違いは? 背景と役割を解説

ご覧いただきありがとうございます。運営者のひろのぶです。

家族サービスとして神社や仏閣巡りをしているうちに、
これらの建物にはいったいどのような意味があるのか疑問に思い歴史を調べてみると、
興味深い事実にたどり着きました。

日本の観光スポットとして定番になっている神社仏閣。
それでは神社と仏閣にはどのような違いがあるのでしょうか?

このブログは神社仏閣の背景と役割についてまとめており、
読むことで観光ポイントを理解できるようになります。

まず神社は、日本古来の宗教である神道の施設です。
神道の起源は、自然を敬う精神にあります。

神社に関する動画はこちらになります。

それゆえに神聖とされた山、滝、岩、巨木などの自然を祀っている他に、
想像上の神仏、歴史上の人物など様々な対象が祀られています。

このように、神道には仏教やキリスト教のようにわかりやすい開祖がいるわけではありませんが、
今の神社の背景を語るのに欠かせないのは天皇の存在です。

初代の天皇である神武天皇は紀元前660年2月11日に現在の奈良で
日本国を建国したと言われていますが、神武天皇を祀るための神社である橿原神宮は
明治時代の1890年に創建されています。

建国から神社の建設の間がとても開いていますが、
明治維新で政府が天皇と国民的を繋げる中継地としての役割を
神社に持たせようとしたことがこの事からも理解できます。

第二次世界大戦での敗戦により、
神社は国家からの管理を離れる事になりましたが、
近代以降の神社の背景には天皇家と強い結びつきがある事が多いと言えます。

次に仏閣の背景について見ていきましょう。
仏閣という言葉は神社と並べて使われることが多いので、
ここでは単独で考察するために仏閣を寺院という言葉に置き換えて使います。

寺院はもともとはインドで起こった宗教である仏教の施設で、
仏像が祀られ、出家した仏教のお坊さんが住み込みで修行を行うための施設でした。

寺院が日本で建てられ始めた経緯は、飛鳥時代の日本は豪族同士の争いが絶えず、
国を一つに纏めるための規律や教育が必要とされたからでした。

そのため隋の当時の最先端の文化であった仏教を日本に取り入れ、人々の生活の規範としました。
その拠点が寺院であり、7世紀に建設された法隆寺
世界最古の寺院として現在に至るまでその姿をとどめています。

法隆寺の建設に携わった聖徳太子は初期の仏教普及、寺院建設の活動で中心的な存在でした。
その肖像画は1930年に百円紙幣に登場して以来、1984年まで発行された1万円紙幣まで
計7回登場、日本の紙幣で最も肖像画を使用された人物になっています。

この事からも聖徳太子が国家にとって民衆を統治するための象徴としての役割を
近年まで果たしていた事がわかります。

平安時代には唐から密教を学んできた空海が当時の天皇である嵯峨天皇の庇護のもと、
神道と仏教の融合を進めました。これを神仏習合と言い、
丹生都比売神社がその起源と言われています。

丹生都比売神社についての動画はこちらになります。


また、813年には政変により命を奪われた貴族の怨霊を祀り国民を守る存在となることを
祈願する法会が最澄により比叡山にて開かれました。
これが日本で仏教が亡くなった人の魂に対する供養を執り行う草分けと考えられます。

江戸時代には檀家制度という制度が宗教統制の一環として打ち出され、
ほぼ全ての民衆が寺院に属する事になり、寺院は回向寺と祈祷寺に分かれていきました。
回向寺は先祖供養を行う寺院、祈祷寺は現世利益を祈る寺院になります。

その後は明治維新による神仏分離に伴う廃仏毀釈運動や第二次世界大戦の空襲での物理的損失、
1963年に圭室諦成により出版された「葬式仏教」で知られるようになった
葬儀や法事に依存した回向寺の衰退を経て現在に至ります。

ここまでが背景の話、次に役割の話になります。

神社の起こりとして自然を敬う精神が元にあるという話は最初にしました。
自然は人知ではコントロールできないあらゆる対象と考えられ、
人間は自然に対する不安も持ち合わせています。

例えば平安時代、菅原道真が没した後に災害が相次ぎそれを鎮めるために
北野天満宮が建設されました。それが今は学問の神様とされ受験生の信仰の対象となっています。

このように神社に対して人々は恋愛成就や合格祈願、厄除けといった
自助努力だけでは成し得ない願い事を持っていく事となりました。

現代において神社は人々が生きる上での漠然とした不安を
受け止める場としての役割を果たしているのではないかと考えます。

最後に寺院の役割です。
前述のように回向寺は社会の変化に対応していけるのか問われている状況ですが、
ここでは観光スポットとしての寺院の役割を考えたいので省略します。

表面的には観光スポットとしての寺院の役割は
祈祷寺として現世利益を願う事が紹介される事が多く、
あまり神社と変わらないようです。
これは歴史的に平安時代から江戸時代まで神仏混合の状態が続いていたことからも理解できます。

しかし詳細に見ていくと、美術や建築、古いお経といった
過去の文化遺産が多く寺院に残されているという事実を見逃すべきではありません。

今から2500年前に存在したという仏教の始祖・仏陀の知恵
それは言葉だけでは伝えられないものとされ、
美術、建築という非言語的な形でも残されています。
それを現代の我々にまで伝えること、それが寺院の役割と考えます。

いかがでしたか?
観光で神社仏閣巡りをする上でこのブログが何らかのお役に立てたら幸いです。

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